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日本基督教団改革長老教会
協議会ニュース 第48号

第十二回全国牧師会への期待

富山鹿島町教会牧師 藤掛順一

 日本基督教団改革長老教会協議会の第十二回全国牧師会が、スコットランドより、D・ファーガソン先生を迎えて行われることに大いに期待し、楽しみにしている。先生はエディンバラ大学の教授であり、同時にスコットランド教会の教師、伝道者であられる。

 筆者は数年前、スコットランド教会についての研修旅行に参加する機会を得た。グラスゴーで、グラスゴー大学神学部の教授たち、また地域の教会の牧師、長老による講義を聞き、主の日の礼拝に参加し、エディンバラで、ジョン・ノックスが説教したセント・ジャイルズ教会を見学し、またスコットランド教会の大会議場を覗き見することができた。

 長老教会の本場であるスコットランド教会の生の姿の一端にふれることができたのは感慨深いことだったが、それは同時に、我々が「長老教会とはこんなものだ」と思っているイメージを打ち破られるような体験でもあった。季刊「教会」第三〇号にこの研修旅行の報告を書いたので詳しくはそれを参照していただきたいが、ここでもいくつかのことにふれておきたい。

 第一は、「長老制度」というものが、教会の国家からの自律、信仰の自由を守るための制度であるということである。監督制度であるイングランドの教会が、国家のコントロールを受けやすいのに対して、スコットランド教会は、長老制度を立てることによってそれに対抗し、教会の自律を獲得するために戦ってきたのである。その自負と意識は今日のスコットランド教会に脈々と受け継がれている。長老制度の教会を形成するとは、そういう意味を持つことなのだということを、我々はもっと意識しなければならないと思う。

 第二に、スコットランド教会は、「ナショナル アンド フリー」、つまり「国民的教会」であり、同時に「自由教会」であるということである。国民的教会、つまりスコットランドの国民(彼らは英国民という意識ではなく、スコットランド、イングランド、アイルランドという帰属意識に生きている)全体を視野に置いた、国民全体の教会である。当然のことながら、津々浦々に教会がある。そしてそれらの群れをまとめているのがプレスビテリである。プレスビテリを中心とするプレスビテリアニズム(長老制度)は、国民的教会の形成のための制度でもあるのである。そして国民的教会ということは、国民の様々な問題、課題、苦しみを担うプログラムを持ち、それを教会の働きの当然の場としているということである。彼らの信仰の意識は、決して個人の魂の問題にのみ限定されてはいない。要するに、「礼拝だけ守っているのが長老教会」などということは全くないのである。

 我々は、「改革・長老教会の伝統に立つ」と主張しているが、その我々の歩みは「国民的自由教会」の建設へと向かっているだろうか。勿論スコットランド教会の姿をそのまま日本に当てはめることなどできないことは言うまでもない。しかし、植村正久が目指したのはまさに「国民的自由教会」だったと熊野義孝は語っている。我々の教会形成の視野は植村のような広がりを持っているだろうか。ニカイアを基本とする正しい信仰を継承しつつ、広い視野をもって歩んでいるスコットランド教会から我々が学ぶべきことは多いのである。その意味で、全国教師会におけるファーガソン教授の二つの講演、@「改革長老教会の伝統の今日的意義―神とキリスト者の生活」、A「改革長老教会の伝統の今日的意義―教会、サクラメント、ミニストリー」を大いに楽しみにしている。


ファーガソン教授を迎えて

東京神学大学教授 関川泰寛

 エディンバラ人学組織神学教授デイヴィッド・ファーガソン氏が、八月末から九月にかけて、日本基督教団改革長老教会協議会の招きで来日します。

 ファーガソン教授は、スコットランドを代表する神学者の一人で、『スコットランド神学雑誌』の編集の責任も負っています。主著に『ブルトマン』『コスモスと創造論』『共同体、リベラリズム、キリスト教倫理』(仮題…八月邦訳刊行予定)などがあります。その他、ベイリ兄弟やマクマレイについての書物の編者でもあります。

 ファーガソン教授は、グラスゴー人学で哲学を学び、エディンバラ大学で神学を、さらにオックスフォード大学で神学の博士号を取得されました。スコットランド教会の牧師として牧会経験を積んだのち、アバディーン大学教授を経て、現在はエディンバラ大学神学部教授として活躍しておられます。

 明治以来、わたしたちの教会が、スコットランド神学の影響を様々なかたちで受けてきましたが、今回の教授によるセミナーは日本ではじめてと言ってもよいスコットランド神学の集中した学びの機会となると思います。宗教改革以来のスコットランド神学の流れを概観し、質疑応答とディスカッションを計画しています。全部で四時間の充実した講義が行なわれ、学びの共有をしたいと願っています。どうか多くの教職の方々が今から御予定下さり、出席されることを期待します。

 また組織神学セミナーでは、「多元主義の時代における教会と共同体」と題して、講演とディスカッションを行ないます。すでに、教授の近著『共同体、リベラリズム、キリスト教倫理』では、ハワーワスやマッキンタイアの著作と批判的に向き合いなうとともに、わたしたちが共有する改革長老教会の神学的伝統を継承しながら、どのような共同体形成が現代にあって可能かという問題意識が強く見られます。教授の神学的主張を日本の牧師たちが改めて共有できればと願います。

 信徒のための講演会は、「神が善なるものとしてお造りになった世界」と題して、九月一日(日)午後四時から富士見町教会で、九月七日(土)午後五時から福岡渡辺通教会でそれぞれ開催されます。各教会で、これらの講演会を覚えてくださり、多くの教会員に出席をすすめて下されば幸いです。教授の誠実で温厚な人柄からにじみ出る、深い神学的な思索は、必ずや日本の諸教会に大きな貢献をするとわたしたちも確信しています。どうぞ今からご期待下さい。

講習会予定(神学セミナーは教職・神学生を、信徒のための講演は信徒全般を対象)
地区月/日(曜)時間講演種別通訳者会場会費
東京8/29(木)10:00-16:00スコットランド神学セミナー関川泰寛洗足教会\1000
8/30(金)14:00-17:00組織神学セミナー関川泰寛白金教会\500
9/01(日)16:00-18:00信徒のための講演会高砂民宣富士見町教会
9/02(月)13:00-16:00全国牧師会主題講演I神代真砂美牧師会参加費あり
9/03(火)09:30-12:00全国牧師会主題講演II神代真砂美
関西9/05(木)13:00-17:00スコットランド神学セミナー関川泰寛浜寺教会
九州9/07(土)17:00-18:30信徒のための講演会磯部理一郎福岡渡辺通教会
9/09(月)13:00-17:00スコットランド神学セミナー関川泰寛

東北改革長老教会協議会報告

仙台東一番丁教会牧師 柏木 英雄

 東北改革長老教会協議会は、今、新しい世代交替期を迎えている。今まで東北改革長老教会協議会を支えてこられた教師方が離任され、新しい、若手の教職メンバーに変わりつつある。

 そのような中で、東北改革長老教会協議会の「支え」として与えられているものが「東北改革長老教会協議会規約(案)」であることを改めて認識させられている。この「規約」を中心に東北改革長老教会協議会の交わりと結束を深めていきたいと願っているし、それをしていかなければ、東北改革長老教会協議会の将来に展望を切り開くことができないという「危機意識」(手詰まり感)を抱かせられていることも事実である。

 来る六月の協議会総会において、現在の規約案に若干の修正を加えたものを正式な「規約」として成立させ、そのもとに新しい歩みを展開させたいと願っている。

 昨年度は、「改革長老教会のめざすもの―各個教会主義を越えて・その二―」という主題のもとに長老研修会を行なった。昨年七月の全国協議会での関川泰寛先生の主題講演をテキストに、私たちなりに理解を深めるという趣旨のもと、三人の牧師、長老が発題するという形で行なった。これらの学びと話し合いを通して、私たちのあるべき「改革長老教会」の在り方についてかなりの共通理解が得られたと思われる。

 信仰告白の問題について、特に一八九〇年の「信仰の告白」の重要性について話し合われた。この信仰告白においては、「信仰」とは主イエス・キリストと「ひとつに結び合わされる」ことであることが明確にされ、その意味での聖霊論が強調されている。このような「信仰理解」の重要性を念頭に置きつつ、礼拝がなされ、教会形成がなされていくべきである、などが話し合われた。


東京改革長老教会協議会報告

洗足教会 牧師 橋爪 忠夫

 最近の東京改革長老教会協議会の動きの特微は、期せずして「礼拝」への取り組みを重ねていることである。この地域の協議会運動も十五年の年月をすごして来た。健全な長老教会の伝統に立つ教会の形成に何が必要であるかを模索する歩みが続いた。その結果、勿論全国の改革長老教会協議会の刺激もあり、少し腰を据えて礼拝のテーマに取り組もうとしているのが最近の姿である。古くは長老会の所管事項の一つである「礼拝の整頓」である。それは一個の教会の努力や試行錯誤では限界がある。それぞれの教会、また長老会が最大の関心と責任を負っている聖日礼拝(この呼び名さえ一定しない。たとえば主日礼拝、単に礼拝など)の現実を紹介し合い、そのような形になった経緯を披瀝し、また互いに理解し合い、共通の根底を確かめ合い、さらにはよりよい礼拝を形造るために何が必要かを学び合う機会を続けてもっている。特に毎年二月に開かれる長老研修会は最大のイベント。ほぼ半年をかけ、十教会弱の長老が集まり、準備を重ね、主題とその展開を用意する。最近はそれぞれの教会の礼拝式を率直に紹介し合い、その違いを認識するとともに、改革長老教会の伝統や聖書以来のエキュメニカルな教会の歴史に照らし、反省と改革への必然性について認識を深めている。

 ここ一年の動きについて具体的に記そう。

  1. 信徒向け講演会 六月二四日「なぜ日曜日の礼拝か」川村輝典牧師
     参加十一教会五九名
  2. 長老研修会 二月十一日「私たちの礼拝」   開会礼拝説教・橋爪牧師、   自由が丘教会・河合長老、長原教会・岡村長老の発題、それらをもとに分団協議   参加十二教会七十名
  3. 長老連絡会(隔月に開く)   テキスト「言葉と水とワインとパン」(ウィルモン著)
  4. 教師会(三ケ月に一回)   テキスト「キリスト教礼拝の歴史」(ナーゲル著)

「第五回全国青年修養会に参加しよう!」

実行委員    高多 新

 今年の夏も、全国青年修養会が京都で開かれます。全国から教会青年たちが一堂に集い、御言葉に聞き、祈りを合わせ、福音に生きる喜びを分かち合う姿が今年も見られると思うと、今から胸躍る思いがいたします。

 今回は藤掛順一牧師を講師にお招きしました。これまでは一貫して信仰告白をテーマに選んで参りましたが、今年はそれに先立つ神ご自身の白己顕現(「わたしは主、あなたの神」)とそれにともなう神からのメッセージ(十戒)をテーマに選びました。十戒の今日的な意義をもう一度御言葉から聴いてみたいと考えたからです。「なんでもあり」の風潮が広がる世の中にあって、一つの規範に立って生きることのすばらしさを発見することは、有意義なことであると思います。

 すでに青年を送り出してくださっている教会も、そうでない教会も、是非この機会に、夏の全国青年修養会に青年達を参加させてみてください。きっと得難い経験が与えられることでしょう。

事務局報告

 阿部祐治

日本基督教団改革長老教会協議会ニュース第48号
発行:2002年5月30日
事務局〒158-0082東京都世田谷区等々力3−28-22 自由が丘教会内
電話:03-3750-4559
FAX:03-3750-4559


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